共著論文が発表されました(Journal of Cell Science)

2017/08/25

共著論文が発表されました(Journal of Cell Science)。

Parkin promotes proteasomal degradation of misregulated BAX
J Cell Sci 2017 : doi: 10.1242/jcs.200162

ドイツのDr. Frank Edlich グループとの共同研究です。論文発表までに時間がかかりましたが,アメリカ留学時の元同僚(そして大親友)と,それぞれが母国に帰って独立,記念となる共同研究1報めです。

ミトコンドリアから始まる細胞死(アポトーシス)に必須なBcl-2 ファミリータンパク質のBAX は,細胞質からミトコンドリアへと移動し,ミトコンドリア膜上で構造変化を起こすことで集積します。その集積はミトコンドリア膜透過性の上昇を招き,最終的にミトコンドリアから細胞質へと流出するチトクロームにより,アポトーシスが誘導されます。ですので,当然BAX タンパク質には,ミトコンドリア集積を不必要に起こさないようなメカニズムが存在します(Edlich et al., 2011)。
今回報告したのはそのメカニズムの新たな一面で,ユビキチンリガーゼであるParkin タンパク質によりBAX タンパク質がユビキチン化され,プロテアソームにより分解される,という内容です。BAX タンパク質をミトコンドリア上にどれだけ存在させるかを細胞の状況に応じて調節するメカニズムに,パーキンソン病責任因子のひとつであるParkin タンパク質が関わっていることを明らかにしました。

今回の研究により,以前より報告されていたParkin タンパク質の細胞死抑制効果のしくみを一部説明し,機能不良ミトコンドリアのオートファジーによる排除を誘導するユビキチンリガーゼParkin (Narendra et al., 2008, Tanaka et al., 2011) には,さらに細胞の生存にとって重要な機能があったことを明らかにできたと考えています。

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