細胞内分解系のひとつであるオートファジーによるミトコンドリアの選択的な分解(マイトファジー)について,マイトファジーの誘導メカニズムを新たに見出し,報告しました。
川崎医科大グループ・サウスカロライナ医科大との国際共同研究の成果です。
Iron loss triggers mitophagy through induction of mitochondrial ferritin
EMBO Rep (2020)e50202
Hara Y., Yanatori I., Tanaka A.*, Kishi F., Lemasters JJ., Nishina S., Sasaki K., Hino K.* (*co-corresponding)
論文では,以下のような内容を明らかにしました。
- 鉄キレート剤デフェリプロン(Deferiprone)が,転写因子HIF1a およびSP1 を介して,ミトコンドリアフェリチン(FTMT) の発現を誘導すること
- FTMT はNuclear receptor coactivator 4(NCOA4)と相互作用し,NCOA4を介したオートファゴソームの形成を促すこと
- FTMTが障害を受けたミトコンドリアの膜上に特異的に蓄積することで,デフェリプロン誘導型のミトコンドリア選択的オートファジー(マイトファジー)が起きていること
- デフェリプロンの投与は,肝細胞発がんモデル(マウス)において,障害ミトコンドリアの駆除による酸化ストレスの軽減などを示し,発がんを抑制すること
- デフェリプロンの投与による肝細胞発がん(マウス)の抑制には,FTMTが必須であること
私たちは,障害ミトコンドリアを蓄積し,それにより酸化ストレスが増大することが疾患の発症や進行に影響を与えるような,他の疾患などにおいてもこのようなメカニズムで障害ミトコンドリアを駆除することができるのではないかと期待しています。
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